味覚の変化にかすかな希望
コロナの話ではなく。
私の話でもなく、長女の味覚の変化のお話。
もともと昔から甘いものが苦手だった長女。
赤ちゃん用の味が薄めのボーロやクッキーなどは食べていたが、大人も食べるようなお菓子が食べられるような頃になってもあまりそれらに興味を示さなかった。
もちろん私は意識高い系の育児などしたこともないので、お菓子を買ってきては「これ美味しいからひとくち食べてごらん」と、おデブへの英才教育を施してみたが、美味しくないと……。そんなときは「このあとスタッフで美味しくいただきました」のテロップよろしく、ママがすべて美味しくいただいてたっけ……。
でも唯一?いや唯二?(唯二ってなんだ……)美味しいと喜んでくれたのが、じゃがりこチーズ味とチョコだった。
いや、旅行やおでかけや遠足の際には本当にじゃがりこ先生にはお世話になりっぱなしだったな!
誕生日やお祝いごとのケーキも、年中さんくらいまでは手作りも含めいろいろなショートケーキを用意してきたが、その存在には喜んでくれるものの肝心のお味はイマイチだと……。
で、年長さんあたりの誕生日にはじめて不二家のチョコ生ケーキを買ってみたところ、これがビンゴ!!
もう一生ケーキはこれでいい宣言が飛び出し、以来それを守ってきた。いや、厳密に言えば甘党党員、ぽっちゃり党名誉会員の私が1種類のケーキなんぞで満足するわけがなく、モンブラン、チーズケーキ、タルト、シュークリームなどなどたくさんのスイーツを買ってきては「ひとくち食べてみ?」攻撃を仕掛けたが、すべて撃沈。。。
結局いろいろなイベントごとの際には、不二家のチョコ生ケーキ師匠にも本当に助けていただいた。
で、先日。
もうすぐ夫の誕生日というときに、長女が「パパの誕生日にケーキ買うでしょ?今年はショートケーキも食べてみたいからチョコ生ケーキとふたつ買ってもらいたいんだけど……」と言ってきた。
長女とショートケーキといえば、なんなら水と油、私と色気くらい相容れないものだと思っていたので「もちろんいいよ!」と即答したものの、理由が気になり聞いてみた。
なんでもお菓子作りをしていくうちに、生クリームの壁にぶちあたったとのこと。いままで作ってくれたお菓子にも生クリームは使っていたが、ザ・ホイップみたいなのではなくあまり生クリームを主張していないものだった。
この先もお菓子を作りたいから、そして生クリーム生クリームしているスイーツも写真を見ていたらなんだか美味しそうに見えてきたので、一度ショートケーキを食べてみたいと思ったらしい。
すばらしい!
変化することが1番苦手な長女なのに、新たな趣味も自分で見つけてしかも苦手かもしれない味に挑戦したいだなんて!
こんな素敵な相乗効果が起きるだなんて✨
実際食べてみてやはりまずかったとしても、チャレンジ精神はきっと脳に残るはずだから落ち込むことはやめようと思った。
思っていたら、なんと「いや待って、嘘でしょ?チョコ生より美味しいかも!」と言って、あの長女がハイスピードであのショートケーキを完食した!
昔食べてみてダメだった記憶もうっすらあるらしく、「やば、味覚が変わった」と驚いていた。
ただ、長女は病になってから食の嗜好が定期的に変化するので、もしかしたらチョコ生ケーキが食べられなくなったかも……と思った。
思っていたら、その後に食べたチョコ生ケーキも「うん、やっぱりこれはこれで美味しい!」と言っていた。
ショートケーキを食べたいと言ったのも、実際に美味しかったのも味覚の変化ではあるのだが、長女の場合は心境が変化したことのほうが重要な意味を持つ気がする。
学校にひとりで行くようになったことで、何か良い方向に動き始めている気配がする出来事だった。
まだ、ほんのわずかな気配だから、一喜一憂しすぎず静かに見守るスタンスだけど、内心はうれしかった。
あれ?でも、もしかしたらショートケーキを手に入れたことで、いままでのように手放したものもやっぱりあったりして?!
あっ!!先生があぶない!!!!
明日、至急じゃがりこチーズ味を買ってきて長女に試してもらわなきゃ💦