『本当はちがうんだ日記』を読んで
いや〜、おもしろかった!!
超絶おもしろかった。
『本当はちがうんだ日記』著者・穂村弘
いつもは「アラフィフ女性が読んでおくべき本best30」みたいなサイトを参考にして本を選ぶのだが、その日は下調べもなく丸腰で図書館に行ってしまったため、タイトルに惹かれた本を借りることにした。
で、その時借りた1冊目が先日ブログに感想を書いた『キュンとしちゃダメですか?』で、2冊目がこちらの本だった。
棚でこのタイトルを見つけたときは『本当はちがうんだ日記』だなんて、「まるで私みたいなタイトルじゃん!!」と心の中で小躍りした!いや、大踊りした!!阿波おどりやソーラン節レベルで!
もちろんすぐに手に取って中を見ると、図書館なので帯が巻かれた状態ではなく表紙の裏に切って貼ってあり、そこに
『私は十年間通ったスポーツジムでとうとうひとりも友達を作れなかった。ダンベルを挙げたり下げたりするだけで、誰ともひと言も口を利かない私は「修行僧」とよばれていた。ちがうんだ。修行じゃないんだ。』
この帯を読んだ瞬間、私以外にもこんなこと思いながら生きている人がいるんだと驚愕した!
『ちがうんだ。』
わかるわー!ちがうのよ、本当の私は!
もう、この部分を読めただけでも今世の私の人生は、この本を読まないときに比べて50倍くらい楽しいものになったが、できれば100倍くらいにしたいと思い、借りてきた。(落ち着いてみると50倍は盛り過ぎだったが、10倍くらいは楽しくなった、はず!)
著者は自意識過剰でイケてないというスタンスだが、実際は歌人で才能豊かだし奥様いるしで、読み進めると若干「おや?私とはイケてないステージが違うな……」と思うところもあったが、たいていのことは「わかるわ〜」みたいなことが本当に絶妙な卑屈さと自虐で、それはおもしろく書かれていた!
何を隠そう、私も頭の中ではめちゃくちゃいろいろなことを考えて、でもこんな私がそんなことしたら迷惑かもなぁとか思ってしまい、結局一周回ってなにも考えていない、全く気が利かない人間だと思われてしまうタイプの人間だ。
大学生のころバイト先のきれいなお姉様に「昨日行った美容院のシャンプー担当のお兄さんが、めちゃくちゃ洗い方が上手だったから、本当は『気持ち良かったです!』と言いたかったけど、なんか私が言うと気持ち悪がられるかなと思って、結局いろいろ考えてたら『ありがとうございます』すら言えずに終わりました」と話したことがあった。
お姉様は「あー!勿体ない!本当に勿体ない!おPちゃんは『歩く正直者』みたいな子なんだから、おPちゃんこそ言うべきだったのよ。昔の彼が美容師だったんだけど、お客さんから褒められるとすごく喜んでたよ。今度はぜひ言ってあげてね」と言った。
地味、面白みがなさそう、生真面目そうを、「正直者」と言ってくれる優しさに感謝しながら、でもやはりお姉様のようにイケてないし……と思っちゃったんだっけ……。
もうすぐ50歳なのに、その時と変わらずいまだに一周回っちゃってるなぁ……。回らずに一直線に「素敵です」とか言えるようになりたいな……。
でも似たようなお仲間もいるんだな♪と思えた1冊だった。
意を決して言ってみよう。
穂村さん、素敵です✨